第6章 偶然目があっただけ
●no side● 〜1年B組〜
無意識だった。
全ては、彼女が無意識のうちに、起きていたことだった。
「ハイチュウの破片を追いかける」という、一見馬鹿げたことに必死になっていた彼女だったが。
それもまた、日常に紛れた束の間の幸福を、無意識に味わおうとしたにすぎない、と。
だから、名残も痕跡もないところに置き去りにされた、その
『あみゃ(甘)い…』
…も、あくまで無意識のものだった。
しかし。
?「はぁ?」
その声が聞こえてきた時…
永らく無意識下に甘んじていた天が、ようやく意識を我が物とした。
『…ん?』
天がその目を開けると…
しっかりと見えたわけではなかった。
しかし気づいた。
いまこうして、身体を机に預けている自分の前方に。
誰かがいる。
…ということを。
そしてその人物は。
間違いなく、天の方を向いていた。
そのことに気づいた天は、それが誰なのかを確認するため。
ゆっくりと、顔を持ち上げ始めた。
ゆっくりと…
だけど、確実に…
それなのに。
何かが、おかしかった。