第5章 一億ベリーの理由
「教えてあげようか…?」
真後ろから声が聞こえ、ゾロはすぐさま刀を抜いて振り返って背後の声の主の首筋に刃を当てた
「…あぁ、俺の存在に気づいた?」
「…誰だ、テメェは…」
首筋に刃を当てられながらも冷静な黒いタキシード姿の金髪の男
「…お前は俺を知っているはずだ」
「は…?」
「…まさか、お前…」
金髪の男はじぃっとゾロを見ると、フッと笑った
「何笑ってやがる…」
「お前は"失敗作"か」
「…失敗作…、だと…?」
「俺はお前に用はない、赤月の闇を返せ」
「狙いはあいつか…!!?」
ルナが世間で呼ばれている赤月の闇の名が出てきて、ゾロはすぐさま刀を握る腕や体に力を入れようとした
「あぁ…、動かない方がいいよ? 君の"首"や自慢の"腕"が落ちちゃうよ?」
くすりっと笑った金髪の男
「ッ…!!?」
ぷつりっと何故か痛みが走り、首やら腕の肌が切れて血が垂れる
(何で切れてッ…!!?)
「何故、って言いたげな顔をしているね? "海賊狩りのロロノア・ゾロ"」
「俺を知ってるのか…!!?」