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白銀の五線譜

第5章 第五章大きなワンコと変なおじさん





十さんを心配しながらも、一週間後テレビ越しから様子を見る。

TRIGGERは絶好調の様子だった。
十さんも折り合いをつけて、モチベーションを保っているようで良かった。


「大丈夫そうで良かったね」

「ええ」

髭切に付き添ってもらいながら楽器店で楽譜を買い終えた。

「それにしても、彼もそうだけど…気になるの?」

「え?」

お店を出ながら髭切が訪ねる。

「彼等に肩入れしているように見えたから」

「肩入れ…か」

百ちゃんに関しては罪悪感もあったけど、彼を助けてあげたいと思った。

十さんは放って置けなかったのもあるけど。

「空に輝く星を消したくなって思ったの」

「星?」

「古い星が消え、新しい星が次々誕生しても、星が輝くのは一瞬だから…まるで流星のように」

打ち上げ花火は一瞬で消えてしまう。
アイドルとはそういうものかもしれないけど、十さんはもっと強い星を感じるの。

まるで夜空に輝く星座のような。

「私は大きな星を消したくないの…彼の星が輝けるならと」

「主らしいな」

「膝丸…」

私の頭を撫でながら微笑む膝丸に笑みを浮かべる。
今でも人気のある消えたアイドルゼロの影を追いかける人は多いけど、消えた星を追いかけるのに意味はない。


だって私達は――。


ドンっ!

「すいません」

「いえ…え?」

前を見ていなかった私は前方不注意でぶつかってしまった。

「大丈夫か?申し訳ない」

ぶつかってしまった人に謝り、髭切が書類を拾ってくれた。

「ん?どうした?」

「君…いや、君達アイドルにならない?」

「「「は?」」」

またもや変な人に声を掛けられてしまった。



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