第3章 第三章秘密のプロデュース
❁❁❁ 百side ❁❁❁
最近の俺は絶好調。
仕事も順調に進み、バラエティーや司会の仕事も増えて来た。
最近では看板番組の司会も任せてもらえるようになった。
まぁ、スポットは当たらないけど。
ユキはモデルやドラマの仕事がバンバン入っているから仕事の量は圧倒的に俺の方が少ないけど。
「百君!大変です!」
「ん?どうしたのおかりん」
事務所でくつろいでいる俺におかりんが声を上げた。
「百君にモデルのお仕事です!」
「へ?」
「ファンファーレの社長から直接オファーがあったんです!そこのブランドスーツのモデルをお願いしたいそうです!」
「ファンファーレって、大手の?」
俺でも知っているブランドスーツじゃん?
普通ならユキに来るんじゃないの?何で俺に来たの!
「百君が着ていたお洒落なスーツの着こなしを見て、是非にと」
「もしかしてこれ?」
「そうです。何処で買ったんですか?3WAYになったスーツなんて初めて見ましたよ」
このスーツはレイさんが俺の為に作ってくれた物で、普通のスーツとは異なり3WAYになっている。
一着で礼服になったり、普通のスーツや、お洒落な私服にもなる。
レイさんが未だに金欠な俺の為に気を使ってくれた代物だ。
「いいでしょ?冬は温かくて、夏は涼しい素材でできているんだ。俺の一押しのデザイナーさんだよ!」
「そういえば最近髪型もお洒落だね」
「ああ、スタイリストさんと知り合いになったんだよ」
「流石です百君!」
拍手を送られて少し照れくさくなった。
「この仕事を成功させれば、ユキ君と並んでモデルデビューできますよ!」
「本当?頑張らないとね!」
絶対に成功させないと!
「ですが、百君はモデルの仕事は初めてですから少し大変ですが…大丈夫ですか?」
「任せなさい!モモちゃんは天才だから!」
不安はあるけどその分ワクワクしていた俺はレッスン室戻って特訓を始めた。