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白銀の五線譜

第3章 第三章秘密のプロデュース





「ないないありえない!」

「どんだけ最低なんだよ!」


百ちゃんと八乙女さんは怒っていた。
隣で宗三と歌仙も頭を抱えていたけど、そんなにおかしかったからしら?


「ありえないよ!」

「いや…財布を忘れたとか言われたり」

「絶対嘘でしょ!そいつら本当に最低!」


劇団の集まりや、親族の集まりでも私がお金を支払うのは当然の流れだった。


あー、でもないか。

あの二人は私がお金を支払おうとしたら怒った気がする。


「絶対ATMの代わりだろ!」

「ちょっと、言い過ぎだって楽」

「あっ…悪い」


別に気にしていないのに八乙女さんは律儀だわ。

「今日の所はお姉さんの顔を立ててくださいな」

「うっ…ごちそうになります」

「悪い…」


二人はかなりの紳士だわ。
男性が必ずしもお金を出さないとダメなんて理由はないのに。


親族にも見習わせたいわ。
ここまで紳士な人も珍しいぐらいだし。

「あ、百ちゃんに渡すのを忘れていたわ」

「え?何々?」

「ダンフェスの優秀おめでとう。これ、細やかですけどお祝い」

「これって」


これからアイドルとして羽ばたくのだから必要になると思った。


「これはスーツ?」

「王道過ぎるかもしれないけど、この先何着あっても邪魔にならないと思うし…」

「うわぁーすごいかっこいい。あれ?イニシャル付き」

スーツを裏にイニシャルを付けておいた。

「もしかしてこれ」

「私が作った物で申し訳ないけど」

「作ったのか!」

「ええ…」


旧Re:vale時代も衣装は私がデザインして作って居たから。


「神棚に飾って置きます」

「服とは着る物ですよ?全く馬鹿な人ですね」

「おい、いくら百さんが馬鹿だからってそこまで言うか!」

「二人共、酷いね」

うん、どっちも攻撃しているように見えるけど。

でも、喜んでくれてよかった。

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