第3章 第三章秘密のプロデュース
いきなり立ち上がった八乙女さんは穏やかな目立ったの獲物を見たような目つきだった。
「ちょっと、レイさんが怖がってるよ」
「あっ…悪い。アンタ蕎麦に食わしいのか?」
「詳しいと言うか祖父が、自分でも打ってましたし。知人が料理人でして」
嘘は言ってない。
本丸で一番の料理上手で自身も料理人を豪語している。
蕎麦打ちも得意で老舗蕎麦屋顔負けだし。
「ああ彼の料理は最高だね?最近は蕎麦打ちの腕に磨きがかかっていたし」
「ただ、量を考えて欲しいですね?一時は極める為に朝から晩まで蕎麦料理を出された時は困りました」
そういえばソバを育ててそば粉まで作り始めたわね。
「畑にそば粉を作り始めた時は驚きましたね」
「ソバの畑まであるのか!」
「えっ…まぁ」
何?
このテンションの高さは。
「へぇーすごいな」
「本人の趣味の延長なんだけど、本気で転職したらどうしよう」
「馬鹿な事を言わないでください」
だって出陣よりも料理の研究する方が目が本気だし。
勿論出陣も頑張ってくれているけど。
「アンタ変わってんな?見た目嬢様っぽいのに貧乏くさいし」
「貧乏くさい…」
実家はそれなりだけど、本家を出て長いし。
一人暮らし期間は質素倹約に慎ましやかに生活して居て来たから倹約が染みついている。
「ちょっと!なんてこと言うの?レイは倹約家なだけ!」
「別に貶してませんよ!」
「本当に失礼な男ですね?失礼なのはその顔だけにして欲しいです」
「おい、さりげなく馬鹿にしただろう?」
「僕は自分に正直なんですよ?ありのままに思った事を告げただけです」
「絶対馬鹿にしてるじゃねぇか!」
宗三って何所にいても通常運転で、ある意味髭切同様自由だわ。
本当に。
食事も終えた会計を済ませると。
「ちょっと待て待て!何でアンタが払うんだ!」
「え?」
「しかも何不思議そうな顔してんだ?」
私が誘ったんだから払うのは当然じゃないの?
「普通は男が払うだろ?」
「え?」
万はともなく、他の人は…
「もしかしてレイさん、これまでも男と食事に行って割り勘だった?」
「えっと、支払いは私が…」
「「「はぁぁぁぁ!」」」
何でそこで宗三達まで怒るのよ。
私がはぁ?って言いたいけど。