第3章 第三章秘密のプロデュース
❁❁❁ 百side ❁❁❁
事情聴取はさんざんたるものだった。
下岡さんに任せて俺達は店に入ったでお茶をするこちになった。
「あのまま警察に捕まれば良かったんですよ」
「宗三、息子の前だよ」
「これは失礼しました」
清々しいまでな態度に悪びれもない。
「いや、いい物を見せてもらったぜ」
「宗三、その辺にして…本当に申し訳ありません」
深々と頭を下げるレイさんに慌てた。
「違います!レイさんは悪くないです」
「どうせ親父が強引なスカウトをしたんだろ」
楽は八乙女社長とは違って懐が広い。
まぁ、元から父親との関係が余りよろしくないのもあるけど。
「それにしても百さんが改まるなんて珍しいですね?」
「何それ?俺って目上の人にはちゃんと敬うよ」
失礼だよね!
俺がすべての人に馴れ馴れしいみたいな言い方して。
「は?年上?」
「そうだよ?レイさんは俺より二つ年上」
「つーことは、22?」
楽ってば気づかなかったの?
まぁ、若く見えるし、学生服を着たら女子高生で通せるかも。
「失礼な事を考えてませんか?」
「まったく」
俺の考えは筒抜けだったのか、二人に睨まれてしまった。
「お待たせしました。天ぷら蕎麦とざる蕎麦に山菜蕎麦にカツ丼にです」
見事に蕎麦が沢山並んでいた。
「レイさんも蕎麦を食べるんですか?」
「ええ、このお店ではお蕎麦を食べるの」
「フーン美味いのか」
一緒に食事に行ったときは焼肉とかラーメンだったから。
「あ、美味い」
「最近ではほとんどが輸入物のそば粉を使っているけど、ここは違うのよ…井戸水を使っているから臭みもないわ」
「何より蕎麦にはいっているのがこれです」
宗三が箸で蕎麦を取りながら見せたけど、光っている。
「挽きぐるみで打っているから、水分が抜けないんだ」
何でこんなに詳しいの?
職リポ顔負けだし、蕎麦職人かと言いたくなった。
「あれ?楽…どうしたの?」
「おいアンタ等、蕎麦に詳しいのか!」
「え?」
いきなり立ち上がる楽が声を上げた。
一体どうしちゃったの!