第3章 第三章秘密のプロデュース
秘密のプロデュースをするようになってしばらく。
現世に行く合間に百ちゃんとホテルやスタジオにバーである日が続いた。
「百ちゃん、すごくかっこいいわ」
「本当?百ちゃんハッピー!」
現在スタジオにて百ちゃんのレッスンに付き合っていた。
「今度はミュージカルに出るんですって?」
「そうそう、台詞はないけどね!」
「でも、いいポジションね」
台本を見せられたけど、台詞ないけど中々いい役だわ。
「百ちゃんのダンスセンスは千よりも上だから、これからこういう仕事が増えるんじゃないかしら?ドラマよりも舞台の方が役者さんからの受けはいいしコネクションもできるわ」
「レイは演劇にも詳しいですか!」
「あー…一時留学していたから」
音楽を究めるには演劇も学んでかおかなくてはないし。
「なんていうか…学生時代は演劇部だったし」
「わぁ!すごい…じゃあ演技の仕方教えてください!」
いや、私は裏方の方が多かったんだけど聞いてないわね。
そんな感じで何故か後日。
何故か演技指導を頼まれてしまった。
正直これには困った。
確かに茶道と並行して日本舞踊の一環で知り合いの歌舞伎役者に演技を習ったけど。
「困ったわね…私はドラマよりも舞台の方が詳しいのに」
「頭を抱えてどうしたの?」
「いや、演技指導を頼まれて」
「また、厄介ごとを」
呆れたと言う表情をする髭切に何も言えない。
「見てくれよ!これ信長様カフェで買ったんだ!」
「またそんなものを」
廊下で騒ぐ不動とたしなめる宗三。
手には信長グッズを持っている。
「今現世で信長様主演の舞台がやってるんだけどさ。DVDを買ったんだ!舞台で見てみたいぜ」
舞台を見る?
その手があったわ。
教えるよりも先に生の舞台を見せればよくないかしら?
「不動、信長公の舞台に行きたいの?」
「え?」
「じゃあ行って見る?」
不動も行きたいと言っているしちょうどいいかもしれない。
「えー!千葉さん主演の舞台!」
「そうそう、やっぱりまずは本物を見た方が良いわ」
それとなく理由を付けてチケットを入手した。
勿論審神者の特権を使って特別席を用意してもらったので安全だ。
「うわぁ!俺初めて!」
興奮する百ちゃんを見て連れて来て良かったと思った。