第2章 第二章迷える子羊
❁❁❁ 岡崎side ❁❁❁
不安を抱きながらレコーディングが開始されると。
ガタン!
「水島プロデューサー?」
いきなり目の色を変えた水島プロデューサーは立ち上がった。
「音量を下げろ!」
「えっ…はい」
前回かなり酷い言葉を告げた彼は、百君が千君のパートナーであることを疑問視していた。
星影プロダクションの専属の音楽プロデューサーでもある人で彼がプロデュースした曲は絶対にヒットしていたと言われている。
だからこそ百君を見てめて欲しいと思っていたが…
「ストップ、音を止めろ」
やはりだめだったのか…
「百、君のソロを増やす。Bメロをすべて君が歌いなさい」
「は?」
「まったくやる気があるなら最初からしないか!前回はやる気が見られなかった…情熱が感じなかった。だが今はどうだ…君から伝わったよ」
「水島プロデューサー」
「私は君の本気が欲しかっただから少しばかりきつく言ったが…正解だったな。新曲は必ずヒットするよ」
百君に克を入れる為にあんなことを?
じゃあ、水島プロデューサーは最初から認めていたんですか!
「それにしても良く練習したね。この短期間でここまで上達するとは…君は才能がある」
「フンっ、何今さらな事言っているの」
「だろうな…さぁ、もう一度だ」
「はい!」
こうして彼等の新曲は順調に進み、新曲はオリコンチャート一位となり、百君のダンスを気に入ってくれた大物ダンサーがからオファーが来て、バラエティー以外で初めてのソロ活動が叶った。
モデルや俳優として活躍する千君とは反対にMCなどが多かった百君にもスポットが当たるようになった。
そしてその仕事を介してダンスフェスタに参加することが叶った。
アイドル、ダンサー、俳優が参加できるダンサーの頂点を決める大会で新人は予選落ちするのが当たり前だったのに、百君は予選を勝ち抜き、八乙女プロのアイドルを打ち負かし優秀した。
やっぱり二人は宝石のように輝いていた。