第2章 第二章迷える子羊
特別病棟の一室でとりあえず休ませてもらうことになった。
明日からホテルを取って体調が安定するまで本丸には戻れないのだけど。
「主、やはりこの長谷部が昼夜問わずお傍にいるべきでした」
「現世ではそれをストーキングと言うようですよ。嫌がる女性を監視する…下劣ですね」
「やりすぎるときもちわるいのですよ」
宗三と今剣、容赦ないわね。
「まぁ、正直、長谷部みたいに暑苦しいのが傍にいたら悪化するんじゃないか」
「不動、言うな」
薬研、感心してないでフォローしてあげて。
「まったく折角の食事が冷めるではないですか」
「ここ病院の病室よね?何で?」
「許可を取って厨房を使わせてもらいました」
いけしゃあしゃあと!
師長を誘惑して従わせたわね!
「病院の食事は質素で味も悪く見た目もみられたものではありません…彼等は本当に料理人でしょうか。織田家の料理人の方がまだマシですよ」
「基本、ここは病院食しか作らないの…味は二の次なのよ」
頭が痛い。
どこぞの大学病院でもあるまいし。
料理の味に難癖つける?
「それはいけませんね、やはり歌仙と燭台切を呼びましょう」
「今度は警察沙汰になるわ!」
忘れもしない私の失態。
以前に現世に行くときに燭台切と大倶利伽羅が付き添って警察に補導されたんだから!
見た目があれだからマフィアか極道に間違われて担当の役人さんに助けてもらって事なきを得た。
「また警察に呼ばれたいの?」
「はぁー使えませんね」
ここに本人がいたら泣くわよ?
「うん、悪くないな。それよりも茶はないのか」
「「「何所から入った!」」」
何故か当然のように鶯丸が現れ、普通に私のスープを飲んで寛いでいる。
「貴方、何をしているんです」
「ああ、三日月と一緒に来た」
「また徘徊してんのか!あの爺さん」
ある意味私の精神を乱すのは千でもなく彼らなのではないだろうか。
むしろ護衛がいない方がゆっくりできるのではないだろうかと思う食おうこの頃だった。