第6章 謎解き急行/それぞれの正体
コナンと乗車していた灰原はどうなったのだろうか
乗車直後は灰原としていたって零が言っていたから、もしかしたらシェリーと灰原は別人なのかもしれない
別人だとしたら灰原は無事だ
でも、じゃあ阿笠邸でのあの会話はなんだったのかって話になる
そして灰原がシェリーと同一人物なのであれば、あの貨物車の爆発に巻き込まれているはずだ
でも消防からの情報では貨物車の中には特に不審な点はなく、巻き込まれた人はいないとのこと
やはり回避する手があったのかもしれない
やっぱりコナンに連絡を取るべきか…否か…
連絡するとしてもどう話すべき?
ミステリートレインでのことを率直に聞く?
哀ちゃんは無事かって聞く?
でも何を聞いても「バーボンから聞いたのか?」って思われるに違いない
話を切り出すにも何が一番良いか迷う
どうしようかと思いながらスマホを見ると、凄い数の着信とメールが入っている
これが零だったら良かったのに、生憎、絶賛悩みの種である江戸川コナンの表記で、メールの内容はというと時間を空けて一通ずつ
『安室さんとミステリートレインで会った』
『バーボンの正体がわかった』
『電話できるか?』
『安室さんと合流したら気を付けて』
『話せる時に話したい』
『できれば安室さんになんとか言って一旦阿笠博士の所に避難して』
などなど、熱烈な数である
そっか、バーボンがシェリーに名乗ったから、安室透=バーボンに気付いたんだな
……ってことは貨物車での会話をコナンは聞いてたってこと?
それとも無事に戻ったシェリーに直接聞けたと?
………。
なんか今日のオレは疑問符が多すぎる気がする
零が戻ってくるまで少し情報整理しよ…もしかしたらその中で良い案出るかもしれないし
「リュウさん、どうぞ」
コトッと書類の隣に優しく置かれたティーカップ
「少し休憩してる姿を見せてやってください」
部下達が心配しています、と風見に耳打ちされる
どうやらオレは難しい顔をし過ぎていた様で、それを見た部下達がソワソワしていると言う
「まぁ、早く書類を書き上げようとモチベーションは上がっているので良い面もあるんですけどね」
「…ありがとう。あとはまとめるだけだから、休憩しながら進めるね」
ミルクたっぷりコーヒーを一口、ニコッと微笑むと、部下達もホッと笑みを浮かべてくれた気がした
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