第6章 謎解き急行/それぞれの正体
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「リュウさん、各所からの情報まとまりました」
公安本部、零の束ねる部署に戻ること数時間、外はすっかり星が顔を出し始めていた
あれからベルツリー急行の貨物車の消火活動や乗客への聴取が各所担当によって行われ、風見がその詳細を集めてくれた
駅組も遠路遥々名古屋から戻り、移動時間の長さにクタクタな様子
そして零からの連絡は未だなく、本部へ戻ってくる気配すらない
本部へ戻るようにとの指示だったから解散していいのかどうかもわからないんだけど…さすがに自分の仕事が終わった零の部下達をここに待機させるのも可哀想だ
なんたって今日はみんな日の出と共に仕事が始まって丸一日動いている
あとは報告のみでオレと零で今後のことを考えていけばいいから、零に確認しなくても解散で良いんじゃないかなぁと、
「みんなお疲れ様!各自報告書が終わった者から今日は上がってください。降谷警部への報告はオレからします。他の案件をやってく人は程々に」
なんて言ったら、
「外もう暗いですよ!」
「リュウさんこそ帰りましょう!」
「今日休憩取ってませんよね!?」
「未成年のうちからこんな仕事の仕方覚えちゃダメです!」
と次々に帰宅を勧められてしまった
久しぶりに指揮する側に立ってたから子どもの姿でいることを忘れてしまっていた…
「だ、大丈夫だよ!零さんが戻ってきたらすぐ帰るから」
「降谷さんなんて待ってたらいつ帰れるかわからないですよ!?」
ハハ…確かにいつ帰れるかわからないな~…
「わかった。じゃあみんなが報告書出して退勤したら必ず帰る」
「私もそれを見届けたらリュウさんを家まで送るので、皆さんは先に上がってください」
風見の言葉でみんなは渋々報告書へ取り掛かる
オレが零が戻るまで帰る気がないのを風見は知っていて、ありがたいフォローを入れてくれた
風見こそ今日はオレに付きっきりで休憩も入れずにずっと働き通してくれているから、できれば早く帰したいと思っている
でもさすがに子どものオレが部署に1人残るわけにもいかず付き合ってもらうしかないと思うと、早く元の姿に戻って普通に仕事ができるようになりたい
その為にはまずシェリーにあの毒薬の情報をもらわなくてはいけないのに、そのシェリーを保護することができなかった