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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第6章 謎解き急行/それぞれの正体


こんな形で作戦が終わるだなんて…

「何か貨物車から反対側の方に飛んで行きましたね」
「……!」

パイロットさんからの言葉に貨物車の向こう側を双眼鏡で覗いた
あれは白い……ハングライダーだろうか
どこかで見た事のある形だけど…

「確か、怪盗キッドもあの様な形で飛んでいませんでしたか?」

怪盗キッド…?
あの捜査二課の中森警部が手を妬いてるっていうあの怪盗キッドか?
そうだとしても、なんで…

「追いますか?」
「……いや、追うには目立ち過ぎるかな」

遠ざかっていくハングライダーの背後しか見えない為、操る人物までは特定できない
気になるところだが、ヘリで追うには限界がありそうだ
零に連絡手段を切られてしまっては伝えようがないし、元々この作戦はシェリーの保護が目的
深追いはやめておいて間違いないだろう



『名古屋駅より報告です。列車が火災により最寄り駅に停車することになりました』

駅組からの連絡も入り、列車の新しい情報もわかった
とりあえず駅組に撤退を伝えないと…

「了解。作戦中止の指示が出た。全員このまま本部へ戻るように」

駅組の到着は遅くても夕方頃だろう
零はきっと最寄り駅で停車後事情聴取が入るだろうし、ベルモットと一緒ではいつ帰って来られるかわからない
その間オレにやれることはあるだろうか

そもそもシェリーはあの爆発に巻き込まれてしまったのだろうか
それとも回避する術を持っていたからわざわざ爆弾が仕掛けてある貨物車に入っていったのか
そして貨物車から出ていったあのハングライダーは…

何を考えてもシェリーを保護できなかったことが引っかかってしまいなかなか次へと頭が切り替わらない
可能ならばあの燃え盛る貨物車の内部を調べに行きたいんだけど、何か術はないだろうか…

「あの、リュウさん…対象が心配なのはわかりますが、あとは消防に任せるしか…」
「…うん、やっぱりそれしかないよね」

火を消す術もないし、公安が動いてることは極力知られたくない
早めに戻って関係機関に情報提供を依頼した方が早いかもしれないし、零から撤退命令がだされたんだ、もしかしたら次の動きにオレ達がいない方が良いのかもしれない

「オレ達も戻ってできることから取り掛かろう」
「はい!」

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