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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第6章 謎解き急行/それぞれの正体


爆弾なんてそんな話聞いてない
ベルモットだろうか……何としてでもここでシェリーを始末するつもりでいるのか


『仕方ない、僕と一緒に来てもらいますか』


貨物車が何らかの事情で使えなくなった場合、強制的にシェリーを線路に降ろすか、強行でヘリで近付き並走しながらシェリーを受け渡しするか、2つのプランは用意してある
強行突破のようでできれば回避したいプランではあるんだけど…


『悪いけど断るわ!』


そしてシェリーがこちらに従わなかった場合のプランもあり、その場に応じた対応を判断しなければならない
さて、聞こえてきた音から貨物車のドアを閉められて立てこもられた感じだな
爆発する前になんとか手を打たないと手遅れになる
こうなったら零は強引に行く気がするけど…


『手榴弾!!だ、誰だ!?』


今度は手榴弾!?
貨物車は一体どうなってるんだ
そろそろ肉眼でも列車の位置を把握できるくらい近付いてきた
でも双眼鏡を使った所で車両の中は見えないし…



ドンッ━━━



『くそ!!』


零の間近での爆発が通信越しに聞こえ、ヘリの窓から木々の間を流れる煙がSLの蒸気以外にもうひとつ見えた
零の焦る様な声もすぐに聞こえてたということは、これは予期せぬ爆発、手榴弾によるものだろうか

「零っ!?」

こちらの音声を発信して零を呼ぶが返事はない
そんな中列車の先頭が山間部を抜けて鉄橋に現れ、続いて煙を上げた最後尾が見えてくる



ドオォォンッ━━━



そして貨物車は連結が離され、鉄橋の上で大きな爆発を見せた

「うそ、だ…」
「リュウさん、貨物車が爆発するなんて聞いてないですよっ!?一体何がっ!?」

シェリーは貨物車にいるはず
爆発の大きさや炎をあげる貨物車の状況からして回避は困難だろう
零が何か手を打てていればと連絡に希望を託す
だが聞こえてきたのは真逆のものだった


『リュウ、作戦中止だ。本部に戻るよう全員に伝えてくれ』

「シェリーは…?」

『対象を保護できない状況になった』

「それって…」

『駅組には上手く言ってくれ、後の指揮も任せた』



そう残して通信が途絶えた


「リュウさん…?」


「作戦中止だ。本部へ戻る」


あの爆発を見ていた風見もすぐに状況を理解したようで驚きの表情を見せていた

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