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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第6章 謎解き急行/それぞれの正体


「リュウさんそんな顔で見ないでくださいっ!」

右腕だ天使だ言われて恥ずかしさもあったけど、それを口にした風見をジトーっとした目で見てしまった
ドヤ顔をキメていた風見は顔を赤くして眼鏡をクイッと整えている
署内で天使がどうだとか噂が流れているのは知っていたけど、まさかその天使が自分のことだったとは…
何がどうしたら天使になるのか、今度零に聞いてみよう

でも今は任務中

「風見、天使のオレも今はすごく真剣だから」
「す、すいません…」

パイロットさんは苦笑いだし、オレはため息だし
そんな冗談言ってる間にほら、推理もだいぶ進んでしまっている


『安東さん…あなたにしかできないんですよ!!』


毛利先生によって犯人が割り出された
今回の事件はドアのチェーンロックを細工してみたり、鏡のトリックを使ってみたり、なかなかの事案だったと思う
零も結局推理の手伝いをしていたし、ちゃんとトリックに辿り着いていくんだからすごいと思う
こんな珍しい事件に立ち会えるならオレもベルツリー乗りたかったけど、通信で聞けただけでも良かったかな
列車内でもまだまだ考えられるトリックはたくさんあるんだな…とか、次があった時の参考にしちゃったり
こっちの方も零にじっくり聞いてみようと思う

でも、やっぱり犯人の言い訳や動機を聞くのは好きじゃない
今回だって未決事件による復讐からの犯行じゃないか

乗客が関わっていたという資産家の屋敷の火事が電気系統のトラブルと判断され、その他は未だはっきりしていない部分があるという
しかし安東さんは今回の被害者が絵画を盗み出す為に火を放ったと言うではないか
きちんと捜査して放火として処理されていれば、そしてきちんと犯人を逮捕することができていたら、今回の事件は起きなかったはず
それに安東さんって人も復讐する前に警察に相談してくれていれば、また彼の人生も違っていたんだろうな…

こういった類は我々の未熟さを痛感する瞬間でもある
全ての人を救うことはできないかもしれないけど、警察になった以上は少しでも多くの人を救いたいと思う
だから、シェリーも絶対あの組織から救わなきゃ


『か、火事!?火事だ!!』


零の焦る声、そして避難を促す声が聞こえた
列車で火事!?


……いや、これが零からの合図である


「パイロットさん、出してください!」

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