第6章 謎解き急行/それぞれの正体
見えていないが、胸に指2本が突き立てられたのだと思う
そこはしっかりと心臓の位置を示していて、グッと力を込められ肩を竦めた
「…もし沖矢昴が叶音の存在に辿り着いた、組織の1人だったとしたら?」
ドクッと心臓が飛び跳ねた
オレはその可能性を少しでも考えただろうか
いや、いずれ探りを入れようとはしていたが、沖矢昴は工藤邸に居候しているちょっと変わった大学院生としか思ってなかった
被害者側の工藤新一と繋がりがあるとしか考えなかったから、組織の一員だとか、そんなことは、ひとつも…
「例え話じゃなければどうなってたか、わかるよな?」
目を覆っていた手がゆっくりと離れる
ぼんやりと映り出す零は怒っているというよりはどこか悲しそうな表情で、工藤邸での一時を後悔した
「……ごめん、なさい…」
「何事もなくて、良かった」
潰れないようにそっと身体を重ねて抱きしめてくれる零
本当にオレのことを想って言ってくれているんだと思うと、胸がきゅうっと痛くなる
「ごめん。もっと警戒すべきだった」
「…一緒にいられない間に叶音に何かあったらって、心配しない時はないんだよ…」
ゆっくり頭を撫でながら、わかってくれるかい?と聞く零に、背中に回した手でぎゅうっと抱きしめて大きく頷いた
オレだって眠れない程零のことが心配なんだ
その気持ちは痛い程わかる
「でも、他人の臭いに嫉妬する僕もどうかしてるな」
腕を立てオレの顔を覗く様に、これじゃあハロと一緒だ、と苦い笑みを浮かべている
「え、ハロがオレから逃げたのって…」
「いつもと違う臭いに警戒したんだろうな」
ハロごめーん…
「じゃあそういう訳で、一緒にお風呂に入って臭いを落としてこようか」
そう言って抱き上げられる
「一緒に入るの?!」
「さっきのだけじゃ物足りないだろ?」
さっきの?…………さっきの!!
「オレ1人で入れるよ!」
「ついでに洗濯も回して…」
「聞いてる!?ねえ!ねえってばっ!!」
バタバタしても降ろしてはもらえず、この後手品の様に服を脱がされ、隅から隅までそりゃあご丁寧に洗われましたとさ
え?何があったって?
お好きなシチュエーションでお楽しみください…///
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