第6章 謎解き急行/それぞれの正体
安室透がバーボンだということはオレの口から言うことではないと思ってるし、まだ零に許可ももらっていないから、嘘ついてごめんな
「それはバーボンが幼児化について何か勘づいたってこと?」
「いや、可能性の話だから確かじゃないよ」
そっか…と顎に手を置き考えるコナンに、腕を組んで考える灰原
「話の途中ですまんの、安室くんが迎えに来とるぞ」
「透兄ちゃんが!?」
玄関から帰ってきた博士に言われて驚いたのはオレだけじゃなく目の前の2人もだった
安室透と言う名を出した途端にかまえるようにコナンの服を掴む灰原
気配や感覚で気付くというのはこういうことなのだろうか
…ということは安室透が組織の人間かもしれないと疑っているのか…
丁度迎えも来たことだし、下手に透兄ちゃんと接触させない方がよさそうだ
「じゃあそろそろ帰るね。2人のこと組織にはリークしないから、オレのこともよろしくな?」
「リュウ、安室さんはリュウの本当の姿…」
「……バーボンがシェリーを追って動き出してる」
「「……!!」」
「今日は話が出来て良かったよ。今度はあの薬のこと詳しく聞かせてね、哀ちゃん♪」
オレが今言えることはここまで
本当の事を全て話せる日が来るかはわからないけど、この2人とは長い付き合いになりそうだし、そう急ぐこともなさそうだからね
更に何か聞きたそうにコナンに引き止められたが、おじゃましましたと博士に挨拶し足早に玄関へと向かう
早く零に会いたい
そう思って玄関を開けると、想い人は門に寄りかかってオレが出てくるのを待っていた
「お仕事お疲れ様!」
駆け寄って両手いっぱいに抱きしめると、頭を撫でてもらいながら大好きなあの声が降り注ぐ
「ちゃんといい子にしてたか?」
「うん!コナンと哀ちゃんとお喋りしてたんだ♪透兄ちゃんはお仕事大変だった?」
「あぁ、でもリュウが待ってるから、頑張って終わらせてきたよ」
わざとらしく小学生とそのお兄さんを演じながら零の車に乗るとすぐに零から探知機を手渡され、自身に何も仕掛けられてないことを確認した
今回は直接触れ合うようなことはなかったから大丈夫だと思っているけど、前回が前回だったので念の為チェックをする
「……反応なし、だね」
「そのようだな」
盗聴されていないことがわかったので改めて
「零、おかえりなさい」
![](/image/skin/separater7.gif)