第6章 謎解き急行/それぞれの正体
「オレが組織と繋がりを持っていると知りながらどうして直接確かめようとした?オレが組織に2人の事をリークする危険性もあっただろ?」
「あぁ、最初は焦ったけど、それに関してはもう問題ねぇよ。な、灰原」
「えぇ、あなたと初めて会った時の気配でわかったわ」
「え!?気配だけで判断したってこと?」
「そうよ。何か文句ある?」
ハハ…なんか凄い勢いで睨まれてる…
文句ないです灰原さん…
「まぁ…灰原の感覚も理由のひとつだけど、あれから色々と可能性を考えたのと、あとはさっきの質問で確信したんだ」
灰原の態度に苦笑いしながらも続けてくれるコナン
組織にいるなら組織の中の研究室に出入りすれば調べることはいくらでもできるのに、それをせず組織の外で調べてるってことは何らかの理由があって組織内で調べられないということ
おそらく組織に知られてはまずいことでもあったのではないか
そして、薬のせいで組織の人間に会うことができないってことは…
「リュウもAPTX4869の被害者ってことだよね?」
不確定要素を混ぜながらもそれらしく推理するところはやはり並みの探偵ではない
もうオレの事を勘づいているのなら、そしてオレも2人の事を勘づいているのなら、言っても良いのかもしれない…
「最後に聞くけど、コナンはオレ達がお互いのことを知っていた方がこの先お互いの為になると思うか?」
「うん、もちろん…組織壊滅と元の身体に戻る為にリュウに協力して欲しい事もあるし、俺も協力できる事は協力させてもらうつもりだよ」
立場は違えど目的は同じってことか…
「さすがだよ名探偵。被害者って言葉が合ってるかはわからないけど、オレもAPTX4869を飲んでこの姿になったんだ。色々推理してくれたんだろ?ぜひ聞かせてもらいたいね、工藤新一君、宮野志保さん?」
「やっぱり…検討はついてたんだね」
「あぁ。でも自分が幼児化してなければ疑わなかったと思う」
俺だってそうだよ、と言うコナンの顔に安堵の笑みが伺えて、自分もホッとしながら笑みを送った
なんだかんだ過ごしてても、やっぱり幼児化したってことを独りで抱えている様な気持ちはあったんだ
でもこうして同じ様な境遇の人がいるとわかると、少しばかし心強いなって思う
しかも味方でいられそうな存在…これはオレとしても公安としても大きい
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