第6章 謎解き急行/それぞれの正体
「言っとくけど、この前の推理や行動力、今日のコナンの雰囲気、全部ひっくるめて小学生とは思ってないからね」
「え~嫌だなぁ、僕小学生だよ?」
わざとらしいんだよ、コナンくん?
それにね、
「小学生は盗聴器なんて仕込まないよ?」
「…その言葉、そっくりそのまま返すよ」
あぁ、オレの盗聴器も気付いてたのか
いったいいつ…って言っても、もう関係ないか
「じゃあ、オレ達が小学生じゃないとして話を進めていこうか」
「わぁ、それ面白そうだね」
オレに会ってすぐにAPTX4869のリストを確認したということはオレが子どもじゃないって勘づいたんだろうし、下手に隠しながら話されるよりもそれ前提に話してもらったほうがこちらとしても話が早い
本当に小学生だったとしても子ども扱いする気はないしな
「じゃあ早速、2人が大人だと思ってオレから質問させてもらうよ」
お互いの盗聴器で組織について認識があるということは遠回しに把握しているはず
オレが今日ここで聞きたいのはあの毒薬の事…
「オレは今、ある薬について調べてるんだ。初めてここに来た時に盗聴器越しに名前が出てきて驚いたよ。APTX4869、知ってるよね?」
「‥…あぁ、よく知ってるよ」
APTX4869に関しての認識確認はこれで良し…
次はコナンからの質問の番
「俺達もまず盗聴器越しに聞いたことを確認したいんだ。バーボンってコードネームが聞こえたんだけど…リュウはAPTX4869を所持しているあの組織と面識があるんだよね?」
面識…?
組織の一員かと聞けば話は早いのに、面識があると聞くのは何故だ
一員でないことを知っているのか?
「…確かに面識はあるよ。連絡を取り合っているだけで会うことはできないけどな」
安室透や降谷零と会うことはあっても、バーボンと会うことはないから間違ったことは言っていないだろう
「それは毒薬のせいで会えなくなったのかしら?」
灰原の質問が続いた
「まぁ、そんなところかな。2つ答えたから2つ質問するよ」
2人はオレが組織でないということ前提に話してきている気がする
それは何故…
オレの情報は調べて簡単に出てくるものではないはず
この子達にはどんな情報源があるのか、それともやはり探偵は探偵らしく推理で辿り着いたのか…