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星降る音に祈りを【DC降谷/幼児化男主】

第11章 紅の出張


「ヒロや班長はとにかく心配するだろうな」
「え…」

4人の話は避けたかったりするのかなって思っていたけど、零は空を見上げながら優しい目で話の続きを足してくれたので少し驚いた

「松田と萩は何のジョークなんだって言いつつも受け入れてくれて、きっとおもちゃにされるんじゃないか?」

リトル姫とか言われて着せ替え人形にされたり、抱っこされたり、きっと常に甘々なんだろうな…なんてちょっぴり嫉妬気味に言うのを聞いて、あぁ、想像つくな~と同じく空を見上げた

陽は傾き始めていて、オレンジ色に染まる空になんとなく同期4人の優しさが滲んでいる様な気がした
零と4人の話をするのはいつぶりだろう…

「でもみんな、元の姿に戻れるようにって色々手を尽くしてくれると思う。特にヒロなんかは組織内部で動けるし、爆弾を追って組織に辿り着く2人も想像できる。班長だってあの一課にいたらこの前の東都水族館の時の様に知らないうちに巻き込まれるさ」

「気付いたら全員集合みたいな?」

「有り得なくもないな。組織の目を向けさせない様にしなければならない僕の気持ちも考えて欲しいよ…」

「苦労かけます…」

ヘヘッと苦笑いで返しながら、対組織を考えたらみんながいてくれれば今以上に心強かったろうなと思った
でも萩を追うように松田が、ヒロが、班長が…オレと零の心の拠り所が次々と命を消してしまっている

あれは…そうだ、初めてお墓参りが4人分になった日
一度だけ「みんな僕を置いていってしまう」と零が弱音を吐いて、次はオレまでいなくなってしまうんじゃないかって言われたことがあった
あの時の零は相当参っていて、オレは絶対に零より先に死んじゃいけないって思った
だからAPTX4869自分で飲ませて死にかけたオレを目の前にした零の気持ちを考えると、今でも胸がキューッて痛くなる

「ん?寂しくなった?」

零の腕に抱き付き素肌に頬を置くと、反対の濡れた手で髪をかき上げる様に頭を撫でてくれた

「ううん、なんでもない…」

この気持ちをうまく説明できそうになくて、目を瞑って濁してしまった

「僕はあいつらの話題になると寂しいし、切ないし、悔しいし、できることなら会いたいって思うよ…。それを知ってるから、叶音はあまり4人の話をしなくなったんだろ?」

「…ごめん」

わかっていて話題に出してしまった事を後悔した

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