第15章 決戦
意識が戻ると、殆どの人間が地に伏していて、
地面には白と黒が混ざり合う。
今もなお立っているのは、幹部クラスの人間達だ。
目を動かして状況を確認する。
九条さんと戦ってるドラケン君、
目の前で血と痣だらけになって倒れてる千冬、
デス・ロウ幹部とやりあう三ツ谷君、ぺーやん君、
あれ、さんは…?
「マイキー!!やれ!!」
「皇帝!!ぶっ潰してやれ!!」
ギャラリーの野次が聞こえる。
体を動かして探すと、マイキー君とさんが戦っていた。
「避けてるだけて勝てんのかよ」
「…」
オレの攻撃をのらりくらりとかわす。
一向に攻撃してこない。
「なあ、昨日の夜のこと覚えてるか?お前、いい顔してたよ」
「…安い挑発」
ただ淡々と、作業のように軽々とした身のこなしで飄々とかわす。
こいつが体力がある方ではないのを知ってるし、本人もその自覚があるはずだ。
なのにいつまでも持久戦のようなことをする。
「……お前、いつまで」
「………………一瞬」
「は?…!?」
オレの足にの足が掛かる。
「ほんの一瞬、隙が生まれた時。
それが、お前が死ぬ瞬間」
バランスを崩した所で腹部の急所に叩き込まれる。
さらに顔面に蹴りを入れられる。
「マイキー!!!」
ああ、三ツ谷の声が聞こえる。
「俺が手を出さないと思ったか?甘いよ。俺はお前らを潰しに来た」
忌々しそうに、言葉を吐き出して去っていった。
「大丈夫か、マイキー!」
「ああ」
「頭やられただろ、動かさないで少し休んどけ。あいつの所にはオレが行く」
「…ああ。悪い、任せた」
「おう、早く復活しろよ!」
あの野郎。これ終わったら絶対犯しにいくからな。
「」
「……三ツ谷」
こんな状況にも関わらず、乱れているのは髪と服くらいで、顔にも手にも傷がついている様子はない。
その上、あのマイキーを沈めた。
バケモンかよ、こいつ。
「東卍連中ここまでボコボコにして、気は済んだかよ」
「……」
「これが、お前がやりたかったことか」
「……随分な言い草だ。先に手を出したのはお前たちだろ」
「他にやり方があっただろ」
「責任も、期待も、信頼も。どれ一つとして俺は失いたくない。
俺の私情でお前たちに手を下さないのは、間違ってる」