第15章 決戦
元四中 グラウンド
東京のみならず、近隣の暴走族が集まってかなりの人集りになっていた。
「うわ、人すげー…」
「東卍とデス・ロウの喧嘩だからな。俺もこんな数のギャラリーみんのははじめてだ」
東京卍會の佐野万次郎。
DES・Rowの。
最強と謳われるこの二人が率いるチームが、今日この場所でぶつかり合う。
この界隈の人間からしたら絶対に見逃すことの出来ない、史上最悪の大戦争が始まろうとしている。
「さあ、主役のおでましだ」
マイキー君が呟いく。
全員の視線が校門に向けられた。
皇帝・桜花春を先頭に、
白い特攻服を着た集団が入場する。
白い短ランを纏った、ガタイのいい集団の一歩先を、華奢で美しいさんが長ランの裾を靡かせ切り開く。
白い特攻服、ホワイトアッシュの髪、白い肌。見た目は天使としか例えようがない。
だからこそ、その光景のギャップに、ここにいる全員が胸をうたれただろう。
「……ほんと、ラスボス感すげえなあいつ」
三ツ谷くんが囁く。
圧倒的な存在感。
彼を最初に『皇帝』と名付けたのは誰かはわからないが、その誰かもきっとこの光景をみたのだ。
まさに、絶対的王者だ。
「あの先頭にいる美人誰だ?」
「皇帝ってどれ?」
「あの小さいやつ女?」
ギャラリーが騒ぎ出す。
「さんっ……」
千冬の口から囁かれる、彼の想い人の名前。
あまりにも切ない声色に、胸が締め付けられた。
両方の勢力が、グラウンドに集まる。
それぞれの大将が、中心で一歩前に出る。
「手加減はしねぇからな、」
「お手柔らかに頼む」