第12章 歯車
その日の夜、から電話が来た。
『もしもし、今どこにいる?』
夕方とはうってかわって、落ち着いたいつもの声だ。
「今は家だけど」
『そっか、今近くにいるんだけど、少し話せないかな』
「……わかった、今行く」
適当な上着を掴んで、足早に外に出た。
「よう」
「あっ、隆くん、こんばんは…その…さっきは、ごめんなさい」
「あー、いいよ。立場的に仕方ねえよ。部下の前ではちゃんと総長してんだな」
「…うん、ありがとう隆くん。優しいね、本当に」
「おう」
そういって自分より低い位置にある頭をポンポンと優しく撫でる。
立ち話もあれなので、近くの空き地に入り土管の上に二人で腰掛けた。
今日は雲が少なく、月がよく見える。
「『何眠てぇこといってんだ三ツ谷ァ』」
「ちょっと!もう、真似しないで!」
真似された恥ずかしさからか、顔を赤くして、ぽこぽことオレの胸を可愛く叩く。夕方のあいつは誰だ、本当にお前か。
「…お前、一週間で見つかんなかったら本当にやる気なのか」
「…………ごめんね、隆くん」
「……………」
「…その時は」
「…おう」
「その時は、ごめん。俺、手加減できないかも」
「…………はぁ。何回謝りゃ気が済むんだお前」
「…隆くん、優しすぎるよ、ばか」
が俺の胸に体を寄せ、頭を擦り寄せてきた。
「そんな近づくと襲っちまうぞ」
「襲ってくれるの?」
「おまっ…!」
「あはは!さっきのお返しだよ〜だ。動揺しちゃって。かわいいなあ隆くん」
「…あんま調子のんなよ」
「え?……んっ」
の後頭部を掴んで、荒々しく口内を犯す。
ピチャピチャと水音が立つ。思春期真っ只中のオレを興奮させるには十分すぎる材料だ。
「あっ…ふ、んんっ…」
の口から漏れる声がエロすぎて、モロに中心に熱が溜まる。
唇を離せば、目がとろんとしたがオレをみつめていた。
「、この前千冬と出かけたらしいな」
「うん」
「キスしたのか」
「うん」
こいつは悪びれる様子もなく、素直に頷いた。
「ビッチ」
「うるさいな、かわいかったんだもん、千冬」
「へえ、じゃこっちは?こっちもした?」
そういっての中心を撫でる。これ以上は駄目だとわかってる
「まだ、してないよ」