第3章 身をもって
親基地の2つは"人材育成及び任務受注機関"であり任務にいずれ向かう人材育成を行っている所で、そこの訓練校"シンメ"に2年通い卒業後は親基地の所属者となる。が、子基地へ配属される前に候補生として地域密着型の役職となる。
だが、子基地に配属されるまでは道のりが長く結局辞めてしまう者が多い。
そんな中でリアムはたった今、昇格したという事になる。
そのリアムが異動する、ヒガンバナとは右側の赤、ルビーの子基地の事で"任務実行基地"として、実際に任務を受けて実行する場所なのだ。
もう1つネリネという基地もあり、それらは親基地であるルビーを挟むように位置している。
そして、各基地は所属の色で自基地の花紋章を制服に縫い付けている。
リアム
「4年頑張った甲斐があったな…」
エレベーター内には数日前に思いを馳せているリアムの呟きが充満した。その数分後に最上階に到着したエレベーターが開く。
すると、1人の女性が深くお辞儀をしてリアムを迎える
女性
「お待ちしておりました、ランベール様。こちらへ」
リアム
「あ、はい」
なるべく落ち着いた声で返事をして女性の後をついて行くものの、初めて見る場所ばかりで思わずきょろきょろしてしまう。
─コンコン
女性が1つの扉をノックすると中から男性の促す声が聞こえた。
女性
「失礼致します。ランベール様をお連れしました」
「ありがとう。君はもう下がって良いよ。…ランベールくんはこっちに」
立派な椅子に腰掛けて柔らかい笑みを浮かべる男は、リアムを促す。
そんな優しさの中にも存在する役職の高さを表す、ぴりっとしたものをリアムは肌で感じ取る事が出来てしまい自然と背筋は伸びた
「そんなに緊張しないでくれ。…では、改めて」
弧を描くように細められていた目が、すっと開く…ただそれだけなのに空気がピンっと張るような感覚がして、リアムは息を呑む