第5章 助けたい気持ち
男2
「こんなちっせぇのに高額になんだもんなぁ」
録音をしている事も忘れてリアムが男達の所へ乗り込もうとしたが、それを阻止するように1つの声が聞こえた
「そんな笑っちまう程、高額なのか」
男2
「おう、そりゃ……は…?」
突然、返されたその場に居た男には出せない澄んだ声に男達は固まる。
それはリアムも同じで、彼の後ろから聞こえる声にゆっくりと振り向くとそこには─
リアム
「レティシア…」
あの日、特別室は魔獣を…そう言っていた彼女がここに居た。
リアムが居た事に気付かなかった男達がレティシアの声に反応して振り向き、彼が居た事にも驚いたが…魔法保持者が居るという事が彼等を強くしているのか次には笑っていた
男2
「守護官がなんだよ、俺等には魔法使える奴がいるんだぞ」
レティシア
「そうか、それは奇遇だな」
男2
「は…?」
レティシア
「私も魔法が使えるんだ」
男1
「何…!?」
レティシアの告白に男達はあからさまに動揺する。
すると、周りに居る赤子へちらっと視線をレティシアが向けてから、男達に戻す
レティシア
「あんた…この子達に魔法かけてるだろ」
男1
「…っ…だったら何だよ」
レティシア
「自発的に寝んのと魔法で寝かせられんのじゃ違うんだよ。…身体が疲れちまうだろ」
男1
「そ、そんな事…知るかよ…!」
レティシア
「どこまでも自分勝手な奴だな」
その瞬間、レティシアの纏っている空気がぴりっとしたのが分かり、リアムを含めた男達は息を呑む
レティシア
「リアム、外にルシアンが待機してる。私がこいつ等を外に出したらルシアンと協力して赤ん坊を助けだせ。良いな」
リアム
「けど…」
レティシア
「けどじゃない。助けたくて動いてたんだろ。だったら今更、躊躇してんじゃねぇ」
レティシアからの強い言葉にリアムは拳を強く握って頷いた