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Smile Bouquet

第5章 助けたい気持ち




─それから数日後…



通常任務も行って夜は犯人探しをリアムは続け、やっと見付けた



リアムは助けたいという気持ちと特別室だからと人を助けようとしないレティシア達への怒りにも似た感情のせいで、自分がちょっと身体能力が良いだけの守護官であった事を忘れていた。



人が近寄らないような、見付けられない場所にぽつりと建つ小さな建物を見詰めながらリアムは、ぐっと拳を握る



リアム
「俺が絶対に…」


誰も来ないと高を括っているのか建物付近や入口辺りには監視カメラはついておらず、リアムは物音をたてないようゆっくりと扉を開けて薄暗い廊下を歩いていく


リアム
(この下か…)


下り階段がある場所から明かりが貫いていて、その下に犯人が居るのだとリアムは理解した。
コンクリートの階段を警戒しながら降りていくと1人ではない低い声が聞こえてきた



男1
「大分、集まったじゃねぇか」

男2
「だな!」

男3
「これで俺等も大金持ち間違いなしだな」


下品な笑い声を上げる男達の会話にリアムは、眉間にシワを刻む。
だが、ここで突っ込んでは駄目だと思ったリアムは持っていた端末の録音機能を使って男達の会話を記録する



男2
「それにしても魔法って便利だな!」

男1
「だろ?…だから、俺に任せとけっつったんだよ」

リアム
(魔法…?)


聞こえてきた単語にリアムの表情は固まる。
助けたい気持ちが先行しすぎて相手が魔法を持っているかも、だなんて考えていなかったのだ。



男3
「にしても考えたもんだよな」

男2
「何が」

男3
「赤ん坊は高く売れるって事をよ」

男1
「まぁな。赤ん坊の頃から育てりゃ立派な暗殺者だって何だって出来んだから」

男2
「悪ぃよなー」

男3
「それに、悪事に使わない奴でどうしても子供が欲しい奴いるだろ。そいつらにも売れる」


どこまでも汚い話を続ける男達にリアムは握った拳に力が籠ってしまう。



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