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Smile Bouquet

第20章 彼女が知らない彼の真実




魔力を持って生まれたという事は何か役目があるのだと、誰かを助ける為に役に立ててほしいと願った両親は、沢山の本を読んで知識をつけたり知り合いの魔法使いを教師にしたりと、彼の負担にならない程度に学ばせた。

フェリックスも自分から進んで学び、その度に喜んでくれる両親の反応を見ているだけで、やる気になれた


3歳にもなれば両親に連れられパーティーにも参加した。
初めて参加した時は、目を刺すような眩しい煌びやかな空間に驚き、柔らかな香りしか纏わないイリーネとは異なる少し強い香水の匂いに酔いそうになった。



イリーネ
「あら…!」


会場でイリーネは1人の女性を見付けると顔を綻ばせて近付いた


イリーネ
「フォンテーヌ公爵夫人」


貴族三大勢力の場合、領地を三貴族で治めているので爵位の称号名は、区別を付ける為にそのまま苗字を使っている。

イリーネの呼び掛けに反応した女性は、彼女を視界に映すと嬉しそうに、ぱぁっと笑みを見せた


「あら、シュヴァリエ公爵夫人」

イリーネ
「おめでとうございます」


柔らかな笑みを浮かべてお祝いを述べられると、出産の事を言っているのだと理解したフォンテーヌ公爵夫人…アリシアは嬉しそうに微笑んでお辞儀をする。
フォンテーヌ家に産まれたレティシアはまだ1歳の為この場にはいない。


イリーネ
「3歳になられた時にお会い出来るの楽しみにしています」

アリシア
「まぁ…ふふ、嬉しいわ。ありがとうございます」


その後は他愛ない会話をして2人は過ごした。




2年が経ち5歳になったフェリックスが初めて、3歳のレティシアと会った時…幼いながらに衝撃を受けた。
大きな目を細めて笑む姿は周りの大人達に幸せを与えていて、それを見ているフォンテーヌ夫婦もとても嬉しそうだった。
その光景はどこかの絵画におさめられているようで。

とにかく彼女の笑顔と明るさが、とても可憐なのをフェリックスに印象づけた



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