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Smile Bouquet

第16章 正体




ルシアン
「は?巫山戯てないで聞いてこい」

ノア
「無理っすよー」


へらへらと笑うノアにルシアンがまた声を掛けようとしたが、それをレティシアが手で制す


ノアが座っている背後にレティシアが立つと、椅子を掴み回転させる。
突然、自分の意識とは別に椅子が回転し視界にレティシアが映ればノアは分かりやすく驚く。
だが、そんな事を全く気にしていないレティシアは僅かに目を細めノアの顎に人差し指を添え顔を上げさせる


ノア
「ちょ、姫さん?」


今、本気で想いを寄せている人物の行動にノアは珍しく頬を染めており、それにつられるようにしてソフィアとリアムも赤面する。


ルシアン
「はぁ…」


ルシアンは、またか…と呆れ。


オリヴィア
「ふふ…っ」


オリヴィアは口元をカップで隠しながら楽しそうに笑む。


レティシア
「あんたにしか頼めないんだ。…やってくれないか、ノア」


そんな事を気にしていないレティシアは更にノアに顔を近付け、その表情はとても艶がある。
身体を硬直させるノアの喉が、ごくりと鳴る


レティシア
「…お願い、ノア」

ノア
「ひ、姫さんがそこまで言うなら…」

レティシア
「本当か?」

ノア
「ほ、本当だよ…必ず成功させる」

レティシア
「ありがとう…ノアなら、そう言ってくれると思ってた」


あと数センチで触れそうなところまでレティシアの唇が近付いたものの…ノアの言葉を聞いて彼女の妖艶な表情はいつも通りに戻り、ぱっと彼から離れ


レティシア
「よし、いっちょあがり」

ノア
「あ゙!またやられた!!」


ノアが悔しそうに頭を抱えオレンジの髪を、ぐしゃぐしゃに掻き回す。やった本人は満足そうに笑んでいる。
止めに入ろうか悩んだリアムは説明を乞う様にルシアンを見る


ルシアン
「ノアを説得させる為の技だ…まぁ、慣れろ」

オリヴィア
「あー…面白かった」


良くある事らしくルシアンは溜息混じりにリアムに告げた。
オリヴィアはカップを流しに置き、両腕を伸ばして見たかったテレビでも見終わった様に身体を解しながら衛生室に戻っていく。
どうやら話は纏まったようだ…とリアムは頭を切り替えて疑問を投げる



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