第16章 正体
リアム
「レティシアとノアさんが行くのは分かったけど…どうやって探るんだ?」
レティシア
「さっき言ったろ。弱い部分をつつくってな」
リアム
「その弱い部分っつーのは?」
レティシア
「どっちもクソな共通点がある」
ソフィア
「共通点…ですか?」
レティシア
「不倫だ」
レティシアは心底嫌そうな顔をして言葉を吐き捨てる。
リアム
「補佐官でもそんな事すんだな…」
レティシア
「役職関係ねぇだろ。…クソだが、2人が優秀なのは事実、だから補佐官なんだ」
ノア
「確かにね。てか、そんな情報良く仕入れたね」
2人が不倫をしているという噂は誰も聞いた事が無かった為、ノアの驚いた様な声にレティシアは、まぁなと自慢げに笑う。
その後、少し話し合いをしてから各自また業務へと戻る
─ PM : 22時 とあるホテルの一室 ─
色気のある顔立ちを際立たせる様な緑が光る目は細められ、目の前の紫の瞳を見詰める男は…アレクシ·マルタン。
アレクシ
「まさか…君に誘ってもらえるなんて思って無かったよ」
低く艶のある声でベッドの上で肩を並べているレティシアに向けて嬉しそうに囁くが、彼女は笑みを浮かべるだけ。
そして、アレクシは自分が身につけているシャツのボタンを数個外して年齢を感じさせない、引き締まった胸元を晒す
アレクシ
「出会った頃は子供だったのに、今では素敵な女性になったね」
レティシア
「そうか?」
彼女の金の髪を耳にかけてやりながらアレクシは頷く
アレクシ
「今日は…ボディーガードくんは居ないんだね」
レティシア
「ボディーガードじゃない…私の親友であり家族だ。…家族にこんなとこ見せられないだろ?」
アレクシ
「それもそうだ」
ボディーガードとはジルヴァの事を言っているのだろうと理解したレティシアはそう囁く。
ジルヴァはルシアンに頼んだのだ。
そして、レティシアは座っているアレクシの左脚に自分の右脚を乗せ左手で頬を撫でてやりながら見詰める