第15章 人か獣か
ルシアン
「今日のあいつは褒めてやりてぇよ。…もっと頼れ」
レティシア
「おかしいな。私は相当、頼ってるつもりだったんだがな」
ルシアン
「どこがだ。…ユリスの悪い癖まで似るんじゃねぇよ」
レティシア
「ははっ、確かにユリスは抱え込む事が多かったな。そりゃまずい。あーならないようにしなきゃな」
ユリスの事を思い出して大きく笑うレティシアは背もたれに身を預けた。
その表情に焦燥感はなく、どこか安堵しているようにも見えたルシアンは優しい眼差しを彼女へ向けた。
その視線に気付いたレティシアは隣に居るルシアンへ紫の瞳を向け
レティシア
「併用してだと大変かもしれないが、頼む」
ルシアン
「当たり前だ」
レティシアが掌を差し出しながら告げ、ルシアンが返事をしながら彼女の掌を叩く。
翌日、黒い影の調査を併用する事を特別メンバーへ伝えられた
レティシア
「というわけで、大変だとは思うが宜しく頼む」
ノア
「姫さんの頼みなら気合い入れなくっちゃなー!」
オリヴィア
「普段の任務も気合い入れなさいよ」
ノア
「やだな、入れてますって!」
後頭部で両手を組んで、へらへらと笑うノアに掛けられたオリヴィアの一言に慌てた様にノアがまた笑う。
ソフィアは両手をぐっと握り締めてレティシアを見る
ソフィア
「しっかり、サポート…します…!」
レティシア
「いつもしっかりサポートしてもらってるって。ソフィアの腕は支援部隊1だからな」
ソフィア
「そ、そんな…っ…ひ、評価…高過ぎます…!」
ルシアン
「本当の事だから良いんじゃないか?」
レティシア
「そうだ、そうだ」
あわあわと分かりやすく慌てるソフィアを見てルシアンがそう述べると、レティシアは腕を組み何度も頷く。
ただ、各々が言葉を交わす中で1人満足そうにしている人物がおり、それに気付いたレティシアは彼に声を掛ける