第14章 この言葉を送り返そう
店主
「あら、いらっしゃい!」
リアム
「美味そう…」
噴水広場にあったキッチンカーを覗いたリアムは涎が垂れそうな程に空腹で目がぎらついていた。
キッチンカーからはハンバーガーの匂いが人々を惹き付け…リアムは分厚い照り焼きのチキンがふわふわのバンズで挟まったバーガーとポテトを注文した
店主
「あいよ、お待たせ!」
元気な女性店主からそれを受け取るとキッチンカーの近くに並べられたテーブルにセットを置き、椅子に腰を落ち着けハンバーガーにかぶりつく。
空腹が徐々に満たされ、食べ終える頃には満足の息をリアムは吐き出していた
リアム
「やっと元気出た…。さて、帰るか」
リアムは立ち上がり店主にお礼を述べてから立ち去ろうとした瞬間─
「きゃああっ!」
「お、大型魔獣だ…!」
リアムは慌てて声が聞こえた方に顔を向けると、そこには彼が見た事もない禍々しい空気を纏った大型魔獣が居た。
リアム
「な、何だ…ありゃ」
一瞬、恐怖で身体が硬直しそうになったものの首を振り混乱している住民へ声を張り上げる。
リアム
「皆さん落ち着いて!ここから離れた場所に移動してください!」
噴水広場に居た住民はリアムの凛とした声に反応し、その主が守護官だと分かると心做しか安堵の表情が見える。
そして、その言葉に素直に従い全員が走り出すのを見ると慌てて特別室メンバーに無線を繋ぐ
リアム
「緊急です!セトラント広場に大型魔獣が出現しました!至急応援をお願いします!」
特別室に居たメンバーや任務に出ていたメンバーはその無線に集中する。
ソフィア
『大型魔獣は、何体ですか』
任務となると普段のおどおどした空気が無くなるソフィアは、言葉に詰まる事無く状況の把握を急ぐ
リアム
「一体!」
ソフィア
『分かりました。至急そちらへ応援が向かいます。人命優先、避難誘導をしてください』
リアム
「了解!」
手短に会話を終えるとリアムは、雄叫びを上げる大型魔獣を気にしながらも避難誘導をする