第13章 憧れに似ているあいつ
特別室で夕飯を食べ終え全員が食後の休憩をしている最中、レティシアはユリスへ会いに行った。
今までのリアムだったら疑問に思っていたが今はそんな疑問は無い。
むしろ、自分の気になっている事を聞けるので好都合だと思い未だ椅子に座ったまま会話をしたり、端末を弄っているメンバーへリアムは声を掛ける
リアム
「あの」
ノア
「ん?」
ルシアン
「?」
オリヴィア
「どうしたの?」
ソフィアは視線だけを向けて反応を示す
リアム
「レティシアが人を捕まえてた時の事、知りてぇんすけど」
ルシアン
「何でだ?」
ルシアンと同じ様に不思議に思った全員が緩く首を傾げた
リアム
「俺を助けてくれた奴に似てるんす。レティシアが」
ノア
「え、そうなの?」
リアム
「はい。…けど、いまいち確信を得られなくて」
オリヴィア
「でも、知ったからって確信は得られるのかしら?」
最もな事を言われてリアムは、うっ…と言葉を詰まらせる。
すると、ルシアンは何も言葉を発さずに立ち上がり自分のデスクへ向かう
リアムは、やはり余計な事を聞いてしまったかと落ち込みそうになったが、戻って来たルシアンはリアムの前に2枚の写真を置いた
リアム
「これは…?」
ルシアン
「そいつ等はレティシアが捕まえた奴だ」
リアム
「え…」
ルシアン
「聞いて確信が得られんのか俺も知らないが、それで任務に支障が出ても困るからな」
彼の言葉に視線を写真に向けると人相の悪い男と気弱そうな男が写真に写っていた。
ルシアン
「その写真の裏に住所と職場が書いてある。次の休みにでも会ってこい」
リアム
「い、良いんすか?」
オリヴィア
「ふふ…知りたいって言ったの貴方じゃない」
思わず笑みを吹き出したオリヴィアの言葉にリアムは、確かにと苦笑する。
リアム
「ありがとうございます」
ルシアン
「おう」
ノア
「確信得られたらリアムくんの話聞かせてね」
リアム
「はい!」
リアムは大きく頷いてから、無くさないように写真を大事に保管する事にした。