第13章 憧れに似ているあいつ
すっかり特別室へ馴染んで任務にも慣れた頃、リアムは再びあの思いが蘇ってくる。
リアム
(やっぱ似てんだよな…)
リアムは、自身が守護官を目指すきっかけとなった憧れの人物と目の前の彼女を頬杖をついて比べるが…
ルシアン
「おら、お前等…肉ばっか食ってねぇで魚を食え魚を」
ノア
「食べたいのは山々なんすけどねぇ…魚がオレを嫌ってるんすよ」
レティシア
「嫌だね。骨が攻撃してくる!」
ノア
「うわ、確かに!姫さんの言う通りだ!」
いつものように結託し、まるで幼子の様に我儘を零すノアとレティシアを見て、ルシアンは疲れたように溜息を吐き出す
ルシアン
「ったく、いくつだお前等わ。骨取ってやるから、食え」
レティシア
「骨取ってくれるなら食べる」
ルシアン
「へいへい」
どれだけ言っても聞かないのを知っているルシアンは斜め前に座るレティシアの魚が乗った皿を自分の方に引き寄せて、骨を取り始める。
ノア
「ルシアンくんオレのも!」
ルシアン
「嫌だ」
ノア
「え゙!姫さんだけずりぃっすよ!」
自分のも取ってもらえると皿を差し出したノアだったが、簡単に拒否されると思い切り唇を尖らせる。
だが、そんな事を気にせずルシアンは全て骨を取り終え食べやすくなった魚をレティシアの方へ戻す
レティシア
「ありがとう、ルシアン」
礼を述べ満足そうに魚を嬉しそうに頬張るまでのレティシアの行動を見てリアムはいまいち自信がなくなる。
心のどこかでは確信めいたものがあるのに、日頃の行動を見ていると憧れた人物では無いかもしれないという思いの方が強くなる
リアム
(こいつが人を捕まえてた頃を知れば…確信は得られんのかな)
人を捕まえていた頃を知っても見ていないから判断しようが無いものの、リアムはその時代を少しでも知った方が良い気がした。
理由はきっと…自分が目指した人がちゃんと格好良いんだという証拠が欲しかったのかもしれない。
普段の任務で格好良さを理解しているつもりだが…普段の彼女は怠けている事が多い為、確信を得てちゃんとあの日の礼を述べたいからリアムは知りたいのだ