第12章 "印"
レティシア
「だったら今度は、それを人を助ける為に使ってみないか?」
ソフィア
「え…?」
レティシア
「私が居るヒガンバナ基地を支えてくれないか?」
ソフィア
「でも…こんなものがあったら、皆さん…」
レティシア
「そんなものがあったって誰もあんたを嫌ったりしない」
抱き締めていた腕を解いて顔を覗きながら、告げられる突然の勧誘と優しい言葉にソフィアは目を丸くする
レティシア
「どうだ?」
人を苦しめていた自分が人を助ける側に回れるのなら回りたいと、ソフィアは素直に思った。
ソフィア
「私で…お力になれるの、なら」
レティシア
「よし」
ソフィアの言葉にレティシアは嬉しそうに頷く。
そんな彼女を見てこの人の力になりたいと心の底から思うのだった
制圧から数日。
レティシアがメディに頼んだおかげでソフィアは罪に問われる事はなく、無事にヒガンバナ基地の仲間となった。
ソフィア
「これ…良いんですか?」
レティシア
「嗚呼。…ソフィアにぴったりだろ」
この日までレティシアに貰った布を巻いていたが、所属と同時にレティシアはソフィアへ太めの青いリボンを送った。
ソフィアはその贈り物に目を輝かせる
彼女の布を取ると代わりに、青いリボンをソフィアの細い首に巻いて蝶を住まわす
ソフィア
「こんな綺麗なもの…」
レティシア
「ソフィアに良く似合ってる」
ソフィア
「……っ…大事にします、ありがとう…ございます…レティシア様」
目元を覆って涙を流すソフィアの頭をレティシアは優しく撫でてやる。
そして対面の時…ソフィアは緊張しながらヒガンバナ基地メンバーの前に立っていた。
事前に彼女の生活や印を知らされていたメンバーはソフィアを優しく見詰めていた
ソフィア
「き、今日から…お世話になり、ます…ソフィア·プティ…です。宜しく…お願いします」
ばっと音が出そうなくらい勢いよくお辞儀をするソフィアに笑みを向けながら拍手を送る