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Smile Bouquet

第12章 "印"




ソフィア
「あ、えっと…ご、ごめんなさ…っ」


取り乱した様に涙を溜めて謝りつつも呼吸が荒くなるソフィアを見て、1人驚かなかったレティシアが慌てて近付き彼女を抱き締め、背中を優しく撫でてやる


レティシア
「大丈夫。大丈夫だ。…それを見たって誰もソフィアを追い出したりしない。勧誘した時にそう言っただろ?」

ソフィア
「…っ…はい…」


レティシアに抱き締められて落ち着きを取り戻したソフィアは、声を震わせながら頷く。

リアムが項に見た"それ"は印みたいなものだが、ちゃんと見えなかった彼には何かは分からずだった。


レティシアはソフィアの項を隠したまま、彼女の手からリボンを引き取り再び彼女の首に"それ"を隠す様に巻き直してやる



─ピピッ



任務のブザーが鳴るとレティシアの腕の中にいたソフィアの身体が小さく跳ねる。



レティシア
「…ルシアン、私の代わりに」

ルシアン
「分かった」

ソフィア
「すみません…っ」

レティシア
「謝るな」


未だ震えているソフィアを離す事が出来なかったレティシアはルシアンに任務内容を確認する様に告げる。

指揮官のパソコンを覗き込みマウスを操作する


ルシアン
「緊急任務だ。…自殺をしようとしている奴が居るらしい」


読み上げられる内容にその場に居た全員が不思議に思う


ノア
「その任務って特別室のじゃないよな?」

リアム
「送信ミス…とか?」

レティシア
「それはないと思うが…」

ソフィア
「あの…」


レティシアの腕の中でソフィアが小さく呟く。


ソフィア
「私…ちゃんと、仕事…しま、す…」

レティシア
「大丈夫か?」

ソフィア
「…私が、居る理由…なくなっちゃい、ます…」

レティシア
「そんな事は無い。…居る理由なんて1つしかないだろ」

ソフィア
「パソコンが、出来る…から…じゃ」

レティシア
「馬鹿。…あんたが特別室の仲間だからだよ」


優しく告げられる言葉にソフィアの目には涙が浮かぶ。
その涙が溢れるとレティシアは、親指で優しくその涙を拭いソフィアを見る



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