第12章 "印"
ソフィア
「ありがとう、ございます。…私、出来ます…」
レティシア
「嗚呼。頼む」
レティシアの腕から離れたソフィアが数台のモニター前に戻る。
それを見たルシアンは任務内容を転送する
ソフィア
「誤送信ではないよう、です…」
レティシア
「…まぁ、特別室に魔獣関連以外もくるから不思議ではないか」
腕を組みながらソフィアの言葉にレティシアは返事をすると扉へ歩き始め、リアムを見る
レティシア
「リアム、行くぞ」
リアム
「あ、おう…!」
慌てて立ち上がるとリアムは後を追いかけたが、途中でレティシアが止まり再び後ろを振り向き
レティシア
「ノア。…補助、宜しくな」
投げられたそれにノアは笑顔で頷き、ソフィアの隣に腰掛けるのを見てから特別室を2人は出て行く
リアム
「あ!…レティシア、あそこ!」
レティシアが運転していた車から先に降りたリアムが、少し古びたマンションを見上げるとそこには男が立っていて。
運転席から降りたレティシアを、男から視線を逸らさずリアムは手招きをする
レティシア
「急ぐぞ」
リアム
「おうっ」
エレベーターは運悪く点検中で。
これでは間に合わないと思った2人は男が立っている16階の屋上まで階段で行く事に決め、上り始める。
だが、流石に普段鍛えている2人でも心が折れそうな程に続く段に息が乱れていく
リアム
「おい…大丈夫か!」
レティシア
「あ゙ー…だいじょばん!さ、先に行って…引き止めて来い!」
リアム
「分かった!」
リアムの方がまだ体力が残っておりレティシアの声に強く頷き階段を駆け上っていく。
彼は魔法を使えば良いのに、と思いつつもレティシアが使いたくないのなら自分が何か言うのは良くないと考えながら慌てる
─バンッ
リアム
「は、っ…はぁ…っ…あ゙ー…」
扉が開く音とリアムの乱れる呼吸音に慌てて腰くらいの柵の向こうに立つ学生服の男は振り向く。
リアムはそれを表情を歪めながら見て、自殺しようとしているのが中学生であるのを確認する