第10章 ※シャボンディ諸島
…キッドは、初めて会った時から、真鈴のことにうすっら気がついていた。
簡潔(か? これは…)にまとめると。
→なんだかこの女は怪しいので、探ってみる価値はありそうだ。
→が、真鈴に近づこう、話そうとすればすぐにローに邪魔される。
→ますます怪しい。
→とりあえず、ローに邪魔されない方法は?
→ローを他のに気を引きつけておく。
…結果。
→船乗る前に実行するも、ベポに気付かれ失敗。
→だが、フード取る前に顔が少し見えた。
→手配書と顔立ちが似ている。
→この女は‘‘清者”、確信。
…キッドは再びニヤリ、と笑った。
…少し前、ロー達は。
「あ、船長‼︎ どうしましょ、イキナリ…‼︎」
「メンテナンスしてたら、急に…‼︎」
「動力装置が…‼︎」
確かに見えた船の動力装置がプシュー、と煙を上げている。
「急にショートして…‼︎」
「ちっ…こんな時に…。治せるのか?」
「頑張ったら多分、治せますが…部品が足りないです…」
「今すぐ買って来い。」
「ラジャー‼︎」
船大工の船員(5)は部屋を飛び出していった。
…途端、背中に寒気が走った。
「…?」
なんだか嫌な予感がする。
「…俺は戻る。後は頼んだぞ」
「ラジャー‼︎」
船員(4&6)はビシッとローに向かって敬礼した。
ローは部屋から出て行った。
そして走り、食事場に向かう。
「ベポ‼︎」
勢いよく扉を開けると、そこには飲みかけのコーヒーが3つ、放置されていた。
ベポの姿も、キッドの姿も見えない。
ますます嫌な予感しかしない。
「ちっ…‼︎」
(アイツ………まさか…‼︎)
ローの部屋に向かって走り出した。
何もないことを祈りつつ…。