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[ONE PIECE] 癒し恋 〜ローver〜

第10章 ※シャボンディ諸島


「こいつの名前は……じ、自分で言え。」
「じ、自分で⁉︎」
「…普通はそうだろうが。」
「え、と…」
「女ァ、早く言えよ。俺なんかに恥ずかしがったら駄目だって。てか、俺相手に恥ずかしがる奴、珍しいけどなァ…」

ほとんどが一目見ただけで逃げられてたのにさ、ハッ、とキッドは笑いながら言った。

「下の名だけでいい。教えろ。」
「…。」

(キッドさんって…私の名前、知ってんのかな…? 知ってたらここで本名言うの、マズイよね…)

(本名絶対言うんじゃねェぞ…‼︎)

ローは目で真鈴に訴えるが、真鈴はフードを深くかぶっているため、気がつかない。
…フードを握り締めている力を強めた。

「…真」
「真?」
「真…真奈…で、す。」

念の為、即席で作った偽名を使うことにした。
ローはホッ、と胸を撫で下ろしたような気分になった。
だが、ホッとしたのもつかの間で、キッドが真鈴を口説くような発言をした。

「真奈ちゃん、か。へェ…可愛い名前だなァ。まァ、顔も何もかも、全部可愛いと思うがな…なァ、真奈チャン?」
「⁉︎」

真鈴は頬を軽く赤色に染めた。
その変化にローが気がつかないわけがない。

「…っ⁉︎」
(何あの野郎なんかに、頬染めてやがる…‼︎)

ローは片手を握り締めた。
そんなローを尻目にしないで2人は話し続ける。

「…私なんか、可愛くないです。この世にもっと可愛い人いますよ?」
「あんたは絶対その中の1人に入るって‼︎ …顔が見れねェのが残念だが。」
「…っ」

真鈴は顔が熱くなっていくのがわかった。

「ところでよォ、トラファルガー。てめェはなんで真奈チャンを名前で呼ばねェんだ?」
「‼︎ そ、それは…」

ローがキッドと真鈴から視線をそらした。
それを見たキッドはニヤリ、と不敵に笑いながら言った。

「なんだ? もしかして、照れているのかァ?」
「は⁉︎ そ、そんなわけねェだろ‼︎」

明らかに、ローが動揺しているのが分かる。

「じゃーちゃんと呼んであげろよ。
「っ‼︎」

ローが固まった。
そんなローの姿を見て、真鈴は軽くローの顔を覗きこんだ。

「…ほ〜ぅら、真奈チャンが待っているぜ〜?」
「 ま、待ってなんか…ないですっ‼︎」

真鈴の顔がますます赤色に染まる。
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