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[ONE PIECE] 癒し恋 〜ローver〜

第20章 力の代償



真鈴の口元からだらしなく涎が流れた。
それを気にすることもなく、ローは唇を貪り、舌を絡め続ける。












…しばし濃厚なキスを味わったローは、唇を離した。

「はぁ…っ…」

真鈴はへにゃりと身体の力が抜けきっている状態だ。
口元を拭おうともしない。
一方ローは、手の甲で自分の口元を拭い、そして、うっすら真鈴の頰を流れていた涙をペロリと舐めとった。

「…っ‼︎」

ピクリと真鈴が反応する。

「…こんなもんのキスで力が抜けきっちゃあ、この先身体がもたねェぞ?」
「っ‼︎」

真鈴は自分の口元を腕で拭った。
そして、わずかながらの力で起き上がろうとしたが、ローが上に乗っかっているので起き上がれない。

「……ロー、降りて」
「…あァ」

ローは真鈴の横に寝転がった。
自分と真鈴に布団を胸の辺りまでかぶせる。
…真鈴が力なくローの方を向いた。

「…なんだ? まだキスしてェのか?」
「ち…違う‼︎ ただ…」

(ローと……まだ触れあっていたいー…)

真鈴はローの首に腕をまわし、弱々しくローに抱きついた。

(なっ…⁉︎)

ローの心拍数が上がった。
ふにゃりと柔らかい真鈴の身体と密着する。
…不意に真鈴が抱きつく力を強めた。

「…っ」

ローの心の中で一気に欲情が高まり、思いっきり真鈴を抱きしめた。

「‼︎ っろ、ロー苦し…っ」
「⁉︎ あ…」

抱きしめる力を弱めた。

「…すまねェ」
「うん………ねェ、ロー」
「なんだ」
「…ギュッてしたまま、寝てもいい…?」

そう言うと真鈴は顔だけを上げ、ローの顔を見た。
俗に言う、上目使い、だ。

「…っ」

キュン、とローの胸がときめいた。

「…お前……今すっげェ可愛い…いや、いつも可愛いが」
「かっ⁉︎」

真鈴の顔がますます赤く染まった。
ローは真鈴の頰に指を滑らせ、顎で動きを止めた。
見つめ合う2人。
そのまま引き寄せられるように唇が合わさった。

「ん…」

…が、すぐに唇を離した。

「真鈴…」
「…何?」
「お前のキスを所望だ…」
「‼︎」

真鈴は頰を先程より赤く染めつつ、そのまま顔を引き上げ、唇を合わせた。
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