第3章 甘え上手の実
もしかして、が
じゃなくなっちまうんじゃ……?
不安にかられてを見つめる。
はふう、と息をつきながら
体温計をながめ額に手をあてていた。
「うーん、微熱があるみたい……
確かにすこしぼんやりするかも」
「ゲンガ……」
「……心配させてごめんね
大丈夫よ、ゲンガー」
ゆる、と抱き締められ
不安と安心が行ったり来たりする。
はベッドに横になると大して
時間も経たないうちに眠りに落ちた。
寝息をたてるを見つめていると
浅く息をつき、寝苦しそうにしだす。
「ゲゲ……!」
冷たいと言われた自分の手をあてると
ふやりと表情が和らぎ安堵した顔になった。
不安だ、悪夢でも見てるのか……?
俺は人間じゃない、だからやれる事がある。
の胸元に額を当てると
グズリグズリと夢を押し開いていく。
どぷん、と重たい液体のような感触の
の夢の中へ沈んで行くのだった。