第3章 甘え上手の実
「ゲン……」
カガミの奴、油断も隙もねえ……。
研究所の扉から見送られながら
ホヤホヤのを部屋へ促す。
コチラを見ているカガミを一睨みすると
スッと目を細めたのが分かる。
ぞわ、と背筋が粟立ち威嚇を返した。
本当にアイツは何考えてるか分からねえ!
「ゲンガー、私そんなに具合わるそう?
……なんともないと思うんだけど」
「ゲンガッ!ンゲゲ!」
「そう……?」
不服そうに首をかしげるをどうにか
部屋に押し込む。具合どうこうじゃなく
こんな状態のをアイツの側に
置いておきたくないんだよ!
……そういえば、
前回この実を食べた時コイツはこの状態の
時の事を覚えてない様子だったな……。
俺が舐めても怒らないし、
なんなら舐め合うのは恥ずかしいからって
言っておきながら舐めてくるし。
やっぱりアレはとんでもない実だ。