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【イケメン戦国】リクエストアンサー作品(仮)

第4章 ~後日談~


信長は軍議を終えた後、席を立とうとする一同に「待て」と言う。
訝しみながらも座り直す一同を見渡し、政宗に「貴様だろう」と呆れた表情と声で言う。
政宗もにやりと笑う。
「お気づきでしたか?」
「分からいでか。だが、光秀が乗ったせいで目くらましにはなっていたがな」
秀吉が「何の話だ?」と光秀に問う。
光秀は飄々とした妖しい笑みを浮かべて肩を竦めた。
「大した事ではない。政宗が「少し夜長に構って遣れ」と言うから少々喜ばせて遣っただだけだ。まぁ、図らずも俺も愉快ではあったがな」
「もう少し説明する気を見せろ」
秀吉が顔を顰めてせっつく。
「言葉の通り、ただの政宗のちょっかいだ。信長様があまりに揺らがぬ余裕で構えてらっしゃるのでな。本当に動揺なさらないか試してみたいという政宗の戯れだ」
光秀の言い草に政宗がやや焦る。
「おい、言い方があんだろ!俺は「あそこまで自信がおありなら試してみたい」と言っただけだ。むしろ光秀が乗ったんだろぉーが。「単純な小娘を少しばかり乱してやるなど容易いものだ」ってノリノリだっただろ」
「俺は夜長を喜ばせて遣っただけだ。信長様の忍耐を悪戯に試したのはお前だろう」
二人のやり取りに家康は呆れてため息を吐き、「道理で俺にまで当たりが強いと思ったら、完全に流れ弾の巻き添えじゃないですか」と言う。
秀吉は秀吉で「下らん事に御館様と夜長を巻き込むな。二人ともその悪乗りする性根、どうにかしろ」と小言を言う。
三成だけが無垢な顔で首を傾げているが、信長は「よい。済んだ事だ」とどうでもよさそうに言う。
「余興としては悪くはなかった。俺なりに興味深い学びもあった事だしな」
低く静かな声が広間に響く。
「だが」
どこか凶悪な笑みを浮かべる。
「少しでも本気でちょっかいを出す時は首を掛ける覚悟をしておけ」
赤みがかった目は鋭く光り、一瞬で広間を制圧する。
空気をひりつかせる圧力に政宗は「……肝に銘じておきます」とやや居ずまいを正して言い、光秀は流麗な仕草で「御意のままに」と軽く会釈をする。
秀吉は心底政宗と光秀の仕業に呆れていたが、口を挟む余地のない信長の覇気にあてられ、咳払いをするしかなかった。
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