第16章 【エピローグ】奇跡の花
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「アンタら!!仲が良いのは分かった!!
あと結婚おめでとう、これは本当に嬉しいよ!本気で良かったよ!!
でもね!これだけは言わないといけないから言っとくよ!!仕事サボる時はもっと事前に言いな!?!?」
ニッキー先生の正論の前に、いつかの様にはーい……と項垂れる葵と羽京。
「あ、でも、やっぱりライブの衣装、3曲目はドレスにして良かったね…!!」
杠神サマの助けが入り、何とかその場が収まる。
「杠ちゃん、おかげでライブ盛況だったよ~!!…何か欲しい物とかある…?」
「えっ…!?でも、あの後私が作ったお洋服、って事でお裁縫道具みんなに足りないの揃えてもらったし、大丈夫だよ…!!」
「そっか~。……結婚式、挙げる時は私歌、歌うからね」
グッ、と両手を握るとえっ!?えっ!?と慌てふためく杠。
そうしてやりな!!と言うニッキーに、ニッキーちゃんまで…!?と慌てる。
そんなこんなで、いつも通りの様でーーいつも通りとは少し違う日々が、始まった。
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「……もうすぐ雪解けだね」「……うん」
ザッザッ…と二人で雪の積もった道を歩く。
雪解け。その意味するのはーー
「君の読みだと、雪解け前に来るんだよね」
「…司君や大樹君、杠ちゃんに聞いた限りだと、『千空さん』は多分そこを狙うタイプですね。司君は確かに単体での戦闘力は高いよ。
でも、いざ大軍を率いて戦う…ってなったら、話が違います。」
冷静に葵が返す。