第1章 導入/調査隊での生活
「今日はどこにするんだい?」
「デュラス島のハナレにしようかと
あそこのポケモンの写真は
なかなか反響があったので」
「ハナレかあ!
デュラスのクリスタフラワーは
大地からの影響が強いんだよね!
可能なら太陽光の有無による
個体差について情報がほしいから
見かけたら撮影してきてくれるかい」
デュラスは雪に覆われた厳しい土地。
分厚い雪や氷に阻まれて太陽光の
届かない場所にクリスタフラワーが
芽吹くのも珍しくはない。
イルミナフォースというエネルギーが
磁場のように発生しており、
地中や氷山の裂け目にまで届く。
確かに太陽光が全く必要のない生態
なのだとしたら個体差はない筈。
それなら手当たり次第
花を撮れば良いので私にも出来そうだ。
「分かりました、ではハナレで。
ヒエール雪原の反対側にある雪原が
どんなものか様子を見てきますね」
私は博士にそう言うとキャンプと
食料の支度を詰めたリュックを背負った。