第3章 お近づきになりたい
「やあ、今日の調査の具合はどうだい?」
「博士!めずらしいですね……?
今日はなかなか楽しい1日でしたよ」
弾む声音に自分でも笑みがこぼれる。
今日はいつもよりポケモンたちと距離が近く
仲良くなれた気がして心が暖かかった。
博士にそれが伝わったのか、苦笑いされる。
「いや、また遭難でもしたらと思ったけど
心配いらなかったみたいだね。」
「あ、そういえば博士!ゲンガーが……
……ゲンガー?」
「ゲンガーが……、どうかしたのかい?」
辺りを見るもさっきまですぐ近くにいた
ゲンガーがまるで見当たらなかった。
遠くにケロケロと鳴くグレッグルたちも
いつも通りの様子だ。
ゲンガーはどこに行ったのだろうか。
「もしかしたら通信の声に
警戒して逃げてしまったのかも」
「はは、これは邪魔してしまったね。
とにかく安全には気をつけてね」