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ゲンガー夢

第3章 お近づきになりたい


「カレー、ちょっと余っちゃったな」

出来るだけ暑い穴から離した場所に
鍋を移動させ雪の上に鎮座させる。
カレーを食べ終えた後はパーティーが
終わったかのように静かになった。

ここの水辺は見上げると洞窟の外へ繋る
大きな穴から星空が見える。我ながら
素晴らしいキャンプ地を見つけてしまった。

「ゲン」
「あっ、どうかしたの?」

ゲンガーは、最初は寄り付きもしなかったが
今はカレーパーティーが終わったあとも
キャンプ地に残っていた。
私が何かする度に後ろをくっついて歩く。

何を考えているか分からない笑みを眺める。
しゃがんだ状態で見上げたそれは
洞窟から見える星空に溶け込んで
闇そのもののようにも見えた。

澄んだ空気がキンと冷え、心地いい。
魅入られたように赤い瞳をみつめていると
PLLL!と通信機が音をたてた。
我に返って通信ボタンをタップする。
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