第17章 ゼラオラとマフラー(ユナイト編2.5)
───……
試合が終わった後のゼラオラは
完全に意気消沈していた。
自分のチャンスだけではない、
味方の評価も悪くしてしまったのだ。
「ゼラオラ……」
「…………。」
ゼラオラは顔を上げた。
涙で目がいっぱいだ。
それはどこか、すがるような顔で
責めるだとか悔しいだとかではない。
今日だけじゃない、きっと。
ずっとゼラオラはもがいている。
「……やっぱり、俺…………」
抱き締めた体は冷たい。
いつもみたいに熱くはなかった。
電気を出しきりぺたりと沈んだ毛。
「頑張ったね……」
私とゼラオラの違いがあるとすれば、
みんなに関わらなくても良い私と
認められたいゼラオラの感覚の差だ。
私が謝るよりきっと、ゼラオラが
今日頑張った事を見てほしいのだろう。
ゼラオラの体に熱が少しずつ戻る。
「美味しいもの食べに行こう、ね」
「……うん」