第17章 ゼラオラとマフラー(ユナイト編2.5)
「ユナイトなんて所詮はバトル技術より
戦術と数の暴力だ。点をとれば勝てる。
だけどアイツは何か勘違いしてるからな」
「そんな言い方ないよ!
ゼラオラは戦いで強くなりたいんだから、
間違っても本人に言わないでよね!」
ぷりぷりと怒るプクリンにため息をつく。
ゼラオラは自分がマスターに行ってるからと
慕ってはくれているものの、
やりたい事が全くちがう戦い方をしていた。
私は仲間を捨てて勝ってきた。
しかしゼラオラもプクリンもそれをしない。
だからこそ仲間が足枷になる。
チームがやりあってる間に点と経験値を
稼いで中盤から圧倒するのが勝ち筋なのに。
一つ目のカジリガメ戦の頃にはゼラオラの
不安がピークに達したのが分かる。
一番経験値のある中央はサポートたちが
前に出ないと出ていかない。
ルカリオが前に何度か出ていっている。
機会を伺う場面でゼラオラが焦った。
ゼラオラの瀕死を皮切りに試合が動き出す。
こうなってはアイツの事だ、もう勝てない。
メンタルで負けたのだ。
"味方のために"は"味方のせいで"と
周りから評価される事になる。
アイツは私と同じ戦術の方がいい、
絶対にあれは向いていない。
選手が代わればとも思っていたが、
やはり変わらなかったようだ。