第17章 ゼラオラとマフラー(ユナイト編2.5)
初めての試合は勝利で終わった。
ゼラオラがゆるっと観客にお辞儀し
ゴールエレベーターから舞台を降りる。
私は勝利の喜びに駆け出していた。
「ゼラオラ!」
「あ!……レナさーん!!!」
「わあ!!?」
ガッとゼラオラに飛びつかれた。
試合の熱のままゼラオラの毛並みは
メチャクチャに熱くなっていたし、
静電気もパチパチと起こる。
しかし今は気にならない。
「やったね!」
「サイコー!本当ありがと!
やっぱ思った通りだったよ、
レナさんとやるユナイト気持ちいい」
スッカリ騒がしいゼラオラに戻っていた。
試合のここが良かった、あそこは
こうして欲しかったと会話が尽きない。
選手控え室を出ても話していると
空は夕色に焼けていた。
「正直さ、俺とあう選手いなくって」
「えっ?」
「俺って速いし火力あるじゃん?
だから周りが見えてないヤツとやると
俺も目の前しか見えてないから負けるんだ」