第16章 異なる世界で(ユナイト編2)
───……
「あれ、ゲンガー。
レナの所にいたんじゃなかったのかい?」
「ゲン……」
リン博士に事の運びを説明した後、
施設内でゲンガーに出会した。
いつもレナの周囲にいる筈の
ゲンガーが珍しく一匹でウロついている。
「……?僕を探してたんなら、
僕も今からレナの所に行くけど」
「…………。」
ちがうみたいだなぁ、と頬をかく。
ゲンガーは常に笑ったような顔をしている
ポケモンだけどレナのゲンガーは
時々うすら笑いが今みたいに消える。
どうやら考え事をしていたみたいだ。
「ゼラオラが気に入らないのかい?」
「ゲンッ」
睨まれた、図星かな?
とはいえこればかりは
ゲンガーが代わりにはなれない。
調査の一環なのだから。